【短】─サクラサク─

「オレの子分になるんだったらここにいてもいいぞ!」


 ……──は?
なんだ、このガキ大将のノリは。


 ジト目の俺は、もう面倒くさくて何でもよくなっていた。


「あー、ハイハイ」

 適当に挨拶をすると、今度はピンクの光を放ち一回転を披露してきた。


「よし、決まりだな!オレはサクっていうんだ!」

 楽しそうにいうこの虫モドキ……もとい、“サク”は、また先ほどの枝に胡坐をかいた。


 なんとなく手持ち無沙汰になってしまった俺は、胸ポケットからタバコを取り出した。


「うっわ、くっせぇモンだすなよな!」

 眉間にしわを寄せ、ものすごく嫌そうな顔をするサク。

嫌味といわんばかりに、まだ吸ってもないのに鼻をつまんでやがる。


 まあ、この桜の木の上でっていうのもバツが悪い気がして、俺も手を引っ込めた。