「怜、人……」




怜人に傷付けられたなら、


私だって怜人を傷付けた。



怜人に嫌われたって、何がなんでもそばにいれば良かった。



ねぇ、怜人―――。



早く起きて。




伝えたい言葉があるの。




泣いている私に優人くんは「良かったね」って言ってくれた。



その言葉がこれは事実なんだと物語っている。




「んっ……」


「怜人?怜人!!」


ゆっくりと目を開けて意識が戻った怜人の名前を呼んだ。



「……知、奈?」


「怜人」




奇跡が、起こった。