……っ!!!


怜人?


なんで?どうして?


そんな言葉しか浮かんでこない。




私たちの関係はあの花火大会で終焉を迎えたはず。




だから、もう私は怜人の名前を呼べない……。



「どうしたの?本城くん」



本城、は怜人の名字。



怜人と付き合い始めた頃、私は怜人を「本城くん」と呼んでいた。



彼のことを「怜人」と呼べるのは、彼にふさわしい人だけ。



そんな一線を勝手に作っていた。



だから怜人から「名前で呼べ」って言われたときは本当に嬉しかった。



そんな単純なことでも、本当に嬉しかった。



他の誰でもない、怜人に私を認めてもらえたような気がした。