その日は入院し、翌日からは自宅療養になった。


「兄さん、はい。プリン」


1日中ベッドの上で過ごしたいくつしていた俺のところに弟の優人がやってきた。


「……サンキュ」


両親との仲が悪いが弟はやっぱりかわいく思える。


「それにしても兄さん。雨の日にバイク乗ってどこ行こうとしてたんだよ?」


「わかんねぇ。その辺少し記憶が飛んでるんだよな」


何か手がかりがあると思った携帯電話も事故で壊れてしまった。


コンコン……


プリンを手に取ったとき部屋のドアから控えめなノックの音がした。