「それで?蒼、可愛い子いるじゃん!ついに蒼にも春が来た?!」

「バカ!そんなんじゃねぇよ!転校生!歓迎会やってたんだよ!」

「なんだよ…吹っ切れたんじゃないのかよ…」


『なんだか、親父臭い事を言う人だなぁ。』なんてぼんやりと考えていた。


「駿河が誘ったんだから、説明くらいしとけよな!」

「ヤダよ、めんどくさい。」


いや…めんどくさがらずに、私にもこの状況を説明してほしいんですけど…。

てっきり、蒼と茜の3人だと思ってたから…。

突然の出来事に状況が把握できない。


「初めまして!武藤 心(ムトウ シン)!蒼の親友~!よろしくね!!」

「あ、はい。青柳です。よろしく…」


武藤…心くん…。

蒼の親友?

挨拶をされて、無意識のうちに返事をする私。

きょとんとしたままの挨拶。

ニコリとも出来ない私。

感じ悪いかも…。


「お前が親友とか、俺が疑われるから、やめてくれない?!」

「蒼くん!ヒドイ!!」


そんな事を考えている間に、どんどんと話は進んでいく。

心くんは、茜・蒼と中学校からの友達らしい。


「んで、こっちが私の彼氏~!」

「あ…」

「今度って言ってたのに、呼んだらしいな。」


笑顔で振り返る蒼が、視界に入った。

どんな表情をしていたんだろう。

私自身わからないけど、私の顔を見た蒼は、明らかに顔色が変わった。