「放せよ!!」

「嫌だ。」

「何で!!」

「いいから、言うことを聞け!!」

ビクッと、優之介の細い体が反応した。

「…大丈夫だ。
お前が叔母を嫌いな事も、
あそこでの生活で
随分傷ついたのも解ってるから。
だけど俺たちは叔母とは違うし、
もう自由になっていいって
お前には言うよ?」

優之介は、兄に抱き締められたまま、
静かに涙を流した。

龍之介はそれを宥めるように
優之介の背中を撫でていた。