ミルクティー

その時だ。

柚琉がちひろを力強く抱き締めたのだ。

「柚琉…。」

「いいよ。
言わなくていい。
それ以上言ったら、
ちひろが自分を全否定しちゃうから。
だいいち、感情が無かったら
嬉しいことも楽しいことも
解らなくなってしまうよ。
悔しいことも悲しいことも
ムカつく事もあるけどさ、
それを楽しい、や嬉しい、で
中和してるから
人は生きていけるんだよ。
違う?」

ちひろは首を振った。

そして、言った。

「柚…ありがとう。」と。

柚琉は照れて頭をかいた。