一方、手を引っ張られたまま
連れ回されている祐輔は、
うんざりしていた。

(何で僕なんだよ…。)

心の中でそう思う。

「この階は、何があるの?」

瑠花は訊いた。

「…ここは、一年教室と、
技術室、保健室、職員室。
上に行くと…」

「上の説明は行ってからにしよう。」

再び手を引っ張られる。

「わ!!」

「早く、早く!!」

瑠花は上の階へ素早く上がった。

祐輔は呆れながら
ついていくしかなかった。