自宅に帰った優衣は、
ふらふらとよろけながら部屋に入った。

途中、リビングに居た翔真が
何かを言った気がしたけれど、
優衣の耳には入らなかった。

不審に思った翔真が、
部屋までやって来た。

「優衣、帰ったのか?」

「…ごめん、翔真。
今、話したくない…。」

優衣はそう言うと毛布を被った。

翔真はそれ以上何も訊かず、
ドアを閉めた。

そっとしておこう、そう思った。