「…怖かった…。
何であんな事
言われなくちゃいけないの…!?」

「…優衣。」

「私あの人に何かした!?
…もう嫌だよ。」

「優衣!!」

「…ごめん、祐輔。
私、混乱してる。」

祐輔はずっと優衣を
抱き締めて離さなかった。

「僕も、怒鳴ってごめん。
…でも、大丈夫だから、もう泣かないで。」

「うん…ごめんね、祐輔。
もう、泣かないから。」

「優衣は悪くない。
だけど、泣くとまた
母さんがやってくるから。
今日は帰った方がいい。」

「…解った、帰るよ。
ありがとね、守ってくれて。」

「来週、学校で会おうね。」

「うん。」

優衣はぎこちない
笑みを浮かべ、手を振った。