ウソ…。

知らないところで噂が歩いていた事実に、開いた口がふさがらない。

「冴子さん、お見合いをするって言うのは本当ですか?」

三浦くんが聞いてきた。

聞いてきた彼のその目は、捨てられた子犬のような目をしていた。

それに胸が痛むのは、何故なのだろうか。

「…ったり前でしょ!」

私は言った。

「お見合いするに決まってるでしょ。

私だって、もう年齢なんだし。

後少しでおばさんだし」

「冴子さんはおばさんじゃありません」

「だから?

だから何!?」

声を荒げた私に、三浦くんがうつむいた。