歩いているあいだに、エウノミア島西区アゼグ村から中央区バチア村までは三日から四日程度かかる、と竜さんが教えてくれた。

私たち三人がほぼ平らな草原を歩いていると木々が増えてきていて、気がついたら林に突入していた。
最初のほうは私は竜さんや狼に話し掛けていたけど、今は無言。
最初は頑張って喋っていたんだけど。
二人とも短い返事をするばかりで話にのってくれないんだもん。
いくら私でもつかれるよ!

狼が無口なのはわかっていたけど、どうやら竜さんまで無口っぽい。
なんか……静かでも疲れるよ、この空気。
二人とも怖いし。
……いや、やっぱり喋らなくてもいいから、もう喧嘩しないで。
寿命が縮むから。

それにしても、なんで狼は急に攻撃的になったんだろう?
私とはじめてあったときはあんなんじゃなかったのに。
私はぼんやりと考えながら、先頭を歩く竜さんの後ろを歩いた。