その頃祥太は、悩んでいた。

退院した以上、まどかばかりに
仕事を任せてもいけない。

入院生活で衰えた体を
元に戻す為にも
動かなければと思った。

しかし、今までスポーツしか
してこなかったせいか、
それが出来なくなった今、
何をして良いか解らない。

在宅で出来る仕事を探したが、
男だと求人も少ないらしい。

病気と戦いながら働く事が、
こんなに難しいとは思わなかった。

祥太はこれほど
病気を恨んだ事はなかった。