「じゃ…、また連絡するな」
「今日は本当楽しかった!ありがとね」
あたしの家の前。
街灯に照らされる哲が、
優しく微笑んだ。
離れることに、少し
寂しさを覚えるようになったこの頃。
あたしは、堪えるのに
必死だった。
「紗月、これ」
「え…何、え…」
サプライズと言わんばかりの、
突然の出来事。
「俺別にロマンチックなやつじゃないし、どういうタイミングで渡したらいいか分かんなくて」
そう言って渡してくれたのは、
街で人気なお店の小さな袋。
「普通こうやって渡すんだったら、今日買ったもの渡すんだろうけど」
「開けて…い?」
恥ずかしそうに顔を手で覆いながら、
哲はこくり頷く。
「やだ…、これって…」



