出る間際に気がついた。 人気のシェイクの店には、 今でも行列が出来ていて。 トイレに行って、この列に 並んでいればきっと。 今でもまだ列に並んでいるだろう。 嘘を付く彼に。 あたしは本当に優しいんだと、 実感した。 どうして、どうして。 哲がこんなに優しいのに。 こんなにあたしのことを 想ってくれているのに。 どうしてあたしは。 こんなにふわふわした 気持ちでいるのか。 全く分からなかった。 この気持ちが、哲の優しさに 気がついた胸の痛みなのだと。 信じて疑わなかった。