「うちの紗月ちゃんがお世話になってるみたいで」
「は?」
集団の中心にいる人が、
十夜に絡んでいた。
何でこんな怖そうな
集団と関わってるかと言うと。
別に何があるってわけじゃない。
結衣がその集団の中の1人が好きなだけ。
結衣がその人に迫っていく内に、
自然にあたしも近くなって
少し話したり、遊んだりするだけ。
遊ぶって言ったって、
教室で話したりするだけ。
ただそれだけ。
集団の中心の人もいい人。
中にはあたしが一番仲がいい人がいる。
その人もやっぱり少し不良で、
だけどすごく優しい人で
すごくかっこいい人。
名前は哲さん。
十夜に絡んでる人が貴哉さん。
そして結衣の好きな人が龍司さん。
「ってか、何の用っすか?」
周りの人が引いていってるのも、
本人達は全く気にしていない。
「もう紗月ちゃんに関わるなよ」
貴哉さんが十夜の肩を押した。
「紗月、十夜くん達…どうしたの?」
「分かんない…。ちょっと待ってて」
あたしは十夜がキレた時を知ってる。
先生だって止められない。
「どういう意味っすか…?」
十夜が1歩前に出た。



