「さーつーきーっ!」
やっとお授業が終わった休み時間。
結衣が飛びついてきて、
あたしの首に抱きついた。
「さすが紗月!呼び出しとかあったら、あたしも一緒に…っ」
「結衣。待って。お昼に話…聞いて」
結衣には話そう。
あたしだけでどうにか、
処理出来る話じゃない。
こんがらがる頭をフルに活動
させながら、午前中を乗り越える。
そして中庭に行くと、
あたしは芝生の上に倒れ込むように
寝ころんだ。
「紗月どうしたの?また藤田関係?」
「ちがーう!そんなんじゃない…。あのねっ」
あ。そうだ。
あたし…言っちゃダメなんだ。
言ったらただじゃおかないって。
…言ってたけど。
「………え、え、えー!!本当?」
「ほんと…。あたし、どうしたらいいか…」
「いいじゃん!超最高!速水先生かっこいいじゃん!」
あ…、そう来るか。
結衣に相談は間違いだったかな。
「でもキス…って。先生エッチ!」
きゃっきゃ、喜ぶ結衣。
あたしは呆れて溜息しか出ない。



