「あたしが…」 欲しいって、ずっとずっと 言ってたもの。 「お前それやらねえと、一生うるせえから」 「本当に…くれるの?」 「当たり前だろ。誰の為に買ったと思ってんだ」 金ぴかの、ピンキーリング。 普通指輪なんて彼氏にもらう ものなのかもしれないけど。 「…ありがと」 あたしはやっぱり。 嬉しくて嬉しくて仕方なかった。 「でも…よく覚えてたね」 「別に。たまたま見つけただけだ」 十夜、あのね。 あたしね。 やっぱり駄目だよ。 こんなことされちゃったら。 忘れたくても、忘れられないよ。