それから2週間が過ぎたある日のこと。
その日はすごくいい空だった。
昼休みに結衣と話していた時のこと。
「あ、あれ見て!」
クラスの女子が、あたしと結衣を呼んだ。
「どうしたの?」
「いいから、あれ!」
その子が指した方向には、
男女が仲良さそうに歩いていた。
「あれがどうしたの?」
あたしは不思議そうに尋ねた。
「よく見て!」
あたしは言われるままに、
その人達を見た。
「紗月、あれ…」
「…え」
少し、頭が止まった。
何もかもが真っ白に見えた。
だってあそこにいるのは。
「紗月、あれ十夜くんでしょ?」
結衣の声が聞こえない。
周りが見えない。
急なことだから、訳が分からない。
十夜に、彼女?
「結衣、あれ本当に十夜?」
「多分…そうだと思う」
どこからどう見ても、
誰が見たって、
十夜なんだけど。
出来るなら信じたくなかった。



