「また、学校で」 「うん…、おやすみ」 去って行く哲を、 姿が見えなくなるまで 手を振って見送った。 寂しさが募って。 愛しさが高まって。 感情が高ぶっていた時。 「紗月…?」 後ろから名前を呼ばれ、驚いて振り向く。 そこには十夜がいて。 そう言えば、夜に約束をしていた ことをすっかり忘れていたあたしは。 あはは、あはは。と。 笑うことしか出来ずにいた。