「実はバイト代にボーナス入ってさ。ほら…前さ、可愛いって言ってたじゃん?だから…買ったっていうか、うん」
アクセサリーが好きで。
いつも街を歩く度に見つけると、
はしゃいでしまう。
中でも、もらったこのネックレスは。
あたしが毎回可愛いと、
はしゃいでしまっていたもので。
「全然誕生日とかじゃないし、いらなかったら…」
「いらないわけないじゃん。嬉しいよ…すっごく、嬉しい」
自然に涙がたまる。
頑張った自分のお金なのに。
あたしのために費やしてくれたことも。
このネックレスを可愛いと
言ったことを覚えてくれてたことも。
全部、全部。
心の底から、嬉しすぎる。
「ありがと、ほんと嬉しい」
「貸して?つけるから」
照れくささを感じながら、
静かにネックレスを渡す。
哲はそれを受け取ると、
あたしの背後に回って
ネックレスをつけてくれた。
「可愛い!もう、ほんとこれ好き!」
「よかった。喜んでくれて」
ふぅ、と息を吐く。
多分彼なりに緊張していたんだと思う。



