「レイいいいっっ!! 何てことをーっっ!!」
 
慌ててシオに近づく。

「ごめんなさいシオさん! これにはふかーい事情があるの! だからどうかヒューイにだけは言わないで頂戴! お願い!」

「…オメー、なんでここにいるんだよ」
 
まだ痛みで動けないレイが声をかける。

「アンタを止めに来たんじゃないのよ! アンタの単細胞な頭で考えそうなことなんてすぐに分かるわよ! あああ、本当にごめんなさい、許してやってくださいー!」
 
土下座までして謝るヒオウに、シオは思わず吹き出した。

「ったく、何なんだよお前ら。面白い奴らだなー」
 
あはははは、と軽快に笑い出すシオに、ヒオウは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。

「え? ……え?」
 
シオとレイを交互に見比べ、困惑するヒオウ。しかしレイにもいまいち何が起きたのか分からなかった。

 
そこへ騒ぎに気付いた警備員達が駆けつけてきてしまったため、レイとヒオウはその場を立ち去ったが…。
 
謎だらけの襲撃となってしまった。

「一体、何がどうなってんのよ」
 
シオの豹変振りに混乱するヒオウに、

「分かんねえ…」
 
としか答えようがないレイであった。