しかし、やはりその手に触れることは叶わず、もう二度と彼女に触れることは出来ないのだという現実が黎の心臓を突き刺した。
 
銀色の髪が霞む。
 
涙で、見えなくなってしまう…。
 
触れられないことは分かっていても。それでも、彼女を後ろから抱きしめるように包み込んだ。


『ノア…!』
 
 
叶うものならば、時間を巻き戻してほしい。それが出来ないのならば、せめてこのまま時を止めて欲しかった…。