残されたシオは、代わりに病人の前に跪き、包帯の交換を始めた。
解かれたその下に現れたのは、赤黒くただれた皮膚。所々血も滲み、ジクジク膿んでいた。
見るだけで気分が悪くなる光景だが、その上酷い悪臭がし、衛生環境も良くないのか、小さな虫が床の上や患者の体を這い回っていた。
目を逸らしても、同じような患者が視界に入ってくるだけ。どこにも逃げ場はない。
ふと、患者の一人と目が合った。
包帯の隙間から覗く目は、眼球が落ちるのではないかと思うほど大きく見開かれていた。
あまりの恐ろしさに目を逸らせずにいると、患者が苦しそうに声を発した。
「…恐ろしいか…」
擦れてはっきりとは聞き取れないが、確かにそう言っている。
「私達の姿は……恐ろしいか……」
視点が定まらないのか、眼球がピクピク動いている。それでも、懸命にレイを見つめていた。
身体の全てがその目に支配されそうな感覚。
恐ろしくて息をするのも忘れた。
ただ、小さく首を振るのが精一杯だった。
解かれたその下に現れたのは、赤黒くただれた皮膚。所々血も滲み、ジクジク膿んでいた。
見るだけで気分が悪くなる光景だが、その上酷い悪臭がし、衛生環境も良くないのか、小さな虫が床の上や患者の体を這い回っていた。
目を逸らしても、同じような患者が視界に入ってくるだけ。どこにも逃げ場はない。
ふと、患者の一人と目が合った。
包帯の隙間から覗く目は、眼球が落ちるのではないかと思うほど大きく見開かれていた。
あまりの恐ろしさに目を逸らせずにいると、患者が苦しそうに声を発した。
「…恐ろしいか…」
擦れてはっきりとは聞き取れないが、確かにそう言っている。
「私達の姿は……恐ろしいか……」
視点が定まらないのか、眼球がピクピク動いている。それでも、懸命にレイを見つめていた。
身体の全てがその目に支配されそうな感覚。
恐ろしくて息をするのも忘れた。
ただ、小さく首を振るのが精一杯だった。


