春兄は黙ったまま、少しだけ眉を寄せた。

『日和、ほんと?』

『…』

黙り込んだあたしに、フゥとため息をついた春兄。笑われちゃうのかな、そう思ったけど、春兄はそんなあたしをチラッと見て、そのままあたしを立ち上がらせると、制服についた土を払ってくれた。


それから、頭をポンポンっと撫でるように叩く。




『はるにー?』


あたしの呼びかけに、何も答えもせず翻した背中に、ともちゃんは「かっこいー」とハートマーク全開で見惚れていた。