抱き寄せられた腕の中は、色んな要素が体全体を占めて胸がキュウとする感覚でいっぱいなのに、




『あたしも、秋人さんが好きです』




だって、口から出てた。






「…うぐぅっ」


何度思い出しても、顔が熱い。火が出る。恥ずかしい。


口に出して、もう、駄目だな。実感するから。



「…なんなんですかね」


本当に。



いつだってあの人には勝てない気がする。