そんな魔王俺様。の一言に、何故か頬を染めるギャラリー。あたしは秋人さんに抱きかかえられながら、ああ、こうやって伝説って作られるんだな。とクラリとしたのを覚えています。
秋人さんは、あの後、柄にもなくあたしを振り返って、『ごめんな。』と謝った。
『別に、気にしてません。それよりこのセクハラシュチュエーションを一刻も早く解除して下さい』
その瞳がやけに優しくて、戸惑ってしまったあたしは早口になる。
『…ぶ。逆に燃えるな?それわざと?』
『はぇ?』
『おまえ犯罪、それ。』
『えぇ?』
『日和』
『うひゃいっ』
『抱かせろ』
『嫌です!!!』
『照れんな』
『照れてません!』
あの頃から既に、あたしは秋一さんのペースにやられっぱなしだったんですね…。

