そんな事があって、私は
自分の姿を映すものが1個もない自分の部屋で
床に三角座りで座り、
右膝に貼ってある、うさぎの絵のバンソウコウと
左手に持っている、
11個の数字で構成されている連絡先と
アルファベットと記号で構成された連絡先の書いてある
白い紙を眺めていた。


目的が何なのか分らないので、
本当に自分を犠牲にしてでも他人を救いたい、という人なのか、
何らかの目的のタメなら何でもできる人なのか、分らないけど、

どうも、何を考えているのか分らないアノ人は
人の気持ちを楽にするのが上手らしい。


「また俺の悩み相談のってよ!!
 君の意見、かなり参考になるから!!

 君も何かあったら、電話して!!
 恥ずかしかったらメールでもいいから!!
 じゃっ!!」


と、あんなに考えがしっかりした人が
私なんかに相談なんて、しなくても大丈夫なはずなのに、

自分が相談に乗ってもらいたいからと
自分を犠牲にし、

私が本当に追い込まれた時のタメの
逃げ道をしっかり、作ってくれた。



そんな風に
公園で話ている時は、いっぱい いっぱいで、
頭の中に入ってこなかった アノ人の言葉を思い出していると、




アノ人が言ってたアノ一言を思い出した…




すると、
私の頭の中は、

アノ人がどんな人間なのか、
アノ人が何の目的で親切にしてくれたのか、
アノ人が何の目的でコノ紙を渡してきたのか、

という疑問を全く考えるスペースは無くなった!!

ただ、
アノ人が言ったアノ一言で
私の頭の中は埋め尽くされていった………