死体と一緒にいる薄気味悪さ。いつ殺されるかも分からない恐怖。今日会ったばかりの人たちと部屋を同じにするストレス。
限界だった。
誰かが言い始めるだろうと僕は予想すらもしていた。
予想していたからこそ、考えていたこともある。
「……、一か八か、助けを求めてみませんか」
皆の視線を受ける。
「固まっていようと提案したのは僕ですけど……、さすがに限界みたいで……。このままじゃ、誰かが麓までおりると言いかねないので、落ち着いている今、決めましょう」
「危険だろう」
蓮見さんの言うことに頷く。
「はい。ですから、麓におりるのは……そうですね、二人ぐらいで。危険を承知で行ってもらいます。二人にしたのは、もしもの時の犠牲者は少ないように」
「犠牲者って……私は嫌だから!」


