「狂ってる……」
「あくまでも想像ですよ。僕の悪いくせです、物事を悪く考える。推理小説なんて読んでも役に立ちませんね……。逆に皆殺しとか想像しちゃうんだから」
「現実で密室殺人があるのがおかしいんだ」
話している内に、あんこさんがやってきた。
ビール瓶とか重そうだと蓮見さんが持つ。
無事に広間に戻ったあたりで、なーこさんが良かったぁと泣いていた。雫とて泣きそうだ。
「灯籠、もう行かないで……。私、怖くて」
「ああ、すまなかった」
本当に愛し合うカップルなんだろう。
あんこさんがお茶を配っている時に、時計の鐘がなった。
十時だ。
まだ長い。
皆一様に渡された飲み物を飲むが、二ノ宮さんだけ、渡されたカップを投げた。


