「俺も行こう」
「灯籠……」
「すぐ戻る」
立ち上がりながら、蓮見さんはなーこさんを撫でた。
「それなら、よろしくお願いしますぅ」
あんこさんについていく。移動中はあんこさんを挟むようにして、僕と蓮見さんで歩いた。
一階北側の厨房。
シンクが目立ち、厨房の名に相応しく、店のように大きかった。
中に誰もいないのを蓮見さんと念入りに確認したあと、入口の扉を閉めて、僕たちはそこを開けられないように背をつけた。
「さっき書いていたメモ帳、見せてもらっていいか」
「あ、はい」
あんこさんが紅茶などをいれている間に蓮見さんが言ってきた。
メモ帳をじっくりと見る。
「怪しいのは出流さんか」
「でも密室の謎が解けない限りは、なんとも……」


