大人としてモラルがない人たちだなぁと思う。
部屋を見回すが、アンティークだらけで、他に変わったものはないか。
後はそれぞれ手頃な時間に食事を済ませた。
「おっさん、浮気するぐらいなら金持ちなんじゃねえの?」
軽い酔いが回ったのか、ずけずけと佐藤は荻原に話しかけた。
「まあ、そうやな。焼き肉屋を二店舗ほどやってるんや」
「まじか、社長かよ」
「まだまだちんまい店やでぇ」
「やだー、けいちゃん。繁盛してるじゃーん。この前なんか、お店でピンドン開けてくれたしぃ」
「ピンドン?」
呟く雫に、ピンクドンペリと教えた。店とピンドン開けたとくれば、やはり二ノ宮さんはキャバ嬢なんだろうか。
社長とキャバ嬢、まあらしい組み合わせだな。
「つか、あんちゃんは何やってる人なん?」
「ああ、おっさんには言ってなかったよな。俺、アマチュアのボクサーなんだよ。試合にはまだ一回しか出てねえけど、これからガンガンいくぜぇ」


