「あははぁ、なんかオタク趣味あるみたい。蓮見さんはないみたいだけど」
「だろうね」
本当に見たままの二人なんだろう。天真爛漫ななーこさんに、寡黙真面目な蓮見さんかぁ。
あとはそれなりの会話をしていれば、扉が叩かれ、平野さんの声がした。
「お食事の用意ができました。ご案内いたします」
はーいと雫と出る。見れば、他の五人は既に廊下で待っていた。
また団体移動らしい。えーと、食卓の間は、西側一階だったかな。
ついていけば、ビンゴ。大きな扉を開ければ、広間より広い部屋に通された。
なんというか、ここまでアンティークがあると、西洋の怪物、吸血鬼を連想する。
部屋の中央には長テーブル。椅子が片側だけで五脚も置ける大きさだ。
テーブルには既に料理が人数分、いや。
「小鳥遊さんと出流さんは?」
使用人二人は食べないとしても、この洋館の主分が抜けているのに気付いた。
「旦那様はお部屋で召し上がるそうで。奥様は気分が優れないらしく、お食事はいらないと」


