痛いとこつくな的な顔で見られた。
「俺も早まった……。まさかこんな騒ぎになるとは。言うに言い出せなくてな。すまない、二人に迷惑をかけた。後で、平野さんにも謝りに行ってくる」
「いいですよ、僕もさして気にしていませんし。雫だって」
「あ、うん」
「良くない!私の命返してー」
「ほら、行くぞ。菜子、喚くなら部屋で聞くから」
あやすように二人が去っていった。
「大丈夫かな、あの二人」
「見た感じ、慣れてるようだし、大丈夫なんじゃない」
なーこさんが雫と同じ性格なら、一通り恨み節を歌ったあとに黙るだろう。
「そーちゃん、明日は散歩とか付き合ってね。ドライブもしたけど、気持ち良かったよ」
「はいはい」
「もー。そういえばさぁ、なーこさんたちと話したりしたんだけど、あの二人大学生らしいよ。二人とも四年生」
「へえ、なーこさんが年下に見えるし、蓮見さんが更に大学生以上に見えるけどね」
「ねー。二人とも同じ文科系のサークルに入っていて、二年の時から付き合ったみたい」
「因みに、なーこさんが黒猫耳好きなのは……」


