「このままじゃ警察沙汰になりますよ」
「たかが猫耳でか」
「されど猫耳ですよ。本当に蓮見さんじゃないのでしたら、僕は嫌でしてね。猫耳なんかを盗む変態と一つ屋根の下にいたくない。――どうします?」
促せば、はあと蓮見さんは息を吐いた。
「まいった……」
その言葉になーこさんがぎょっとする。
「鬼畜ーっ、知らないっていったのにー!」
むきーと怒るなーこさんに、蓮見さんはさして動じていなかった。
「因みに動機は?」
「俺の寝込みに猫耳つけて写メろうとした奴がいたものでな」
それは捨てたくもなるわな……。
「うわーん、鬼畜が猫耳捨てたー」
「喚くな。人の嫌がることをするお前にも非がある」
「お前にも、ってことは、自分にもあると認めるんですね」


