「ひっどー、せっかくそーちゃん誘いに来たのに!」
「誘い?」
「うん、なーこさんと洋館探検したり、外で買い物したり、散歩とか」
「あー、僕はパス」
「なんでぇ?」
「運転疲れ、休ませてくれぃ」
「そーちゃんに休める権限はない!」
「なんで確定事項なんだよ。ともかくも、無理。無理無理。まじ眠くてさ」
「まったくしょうがないなぁ、ウチとなーこさんだけで行くよ」
「蓮見さんは……ああ、いや、聞くまでもないか」
蓮見さんも僕と同じだろうと勝手に予想する。
枕に顔を埋め、行きたくない姿勢をやれば、渋々、雫は扉を閉めた。
――さて、軽く寝るとするか。


