自由行動開始。
ひとまずは荷物を部屋に置く。
僕が取ったのは104の鍵だ。
「けいちゃーん、あたし疲れちゃったー」
「ほな、一緒に寝ようかぁ」
にへらにへらして、荻原さんと二ノ宮さんは101の部屋に入る。
「俺も寝よ」
ふぁと欠伸をして佐藤が102へ。
「灯籠、二人っきりだからっておかしな真似しちゃダメだよー」
「猫耳所持者に言われたくはないな」
なーこさんと蓮見さんが103へ。
雫は105だ。
あとでねー、という雫に生返事をして、僕は104の部屋に入る。
部屋の中はホテル顔負けの綺麗さだった。
ダブルベッド。枕が無意味に三つも置いてある。
木造りの椅子と机があり、鏡台もあった。
ベッド横に荷物を置く。
ふう、と一息つく前に、二日間お世話になる部屋を探索する。……探索なんてものじゃないけど。


