「平野、早速皆様を部屋へ……」
「かしこまりました。皆様、部屋へご案内いたします」
こちらへと言われたので、紅茶を飲み干し、席を立った。
ぞろぞろと平野さんについていく。出流さんは案内するつもりはなく、部屋に残った。
「ほんま、けったいな館やなぁ。なんぼすんの?」
「けいちゃん、私もこんなとこに住みたいー」
「灯籠、私もー」
「現実を見ろ」
「そーちゃん、ウチも住みたいな」
「まずそんな関係でもない」
ほんと、蓮見さんと僕は気が合いそうだ。
エントランスに戻り、そこから二十段程度の階段を登る。
「迷ったさいは、私に聞くか、こちらの地図をご覧くださいませ」
平野さんが指差したのは額縁に飾られた、この洋館の地図だ。


