「奥様の総資産。いや、ざっとみぱっとみの勝手な予想だけど、百億以上はもってんでしょ、絶対。聞けば、土地の権利書から何から何まで奥様持ちだそうじゃん。それに、例のアレもあるし」
どこまで知ってんのか、金の話をするのに相応しい顔で佐藤は続ける。
「“ブルー・ブルー”。顔大の大きさを誇る伝説のサファイア。数億はくだらないお宝もこの洋館にあるらしいぜぇ」
こそ泥がこいつは。
佐藤が小鳥遊さんと文通していたのは、金のためなんだろうと予想できるぐらいの口振りだった。
「で?どーなのよ、そーちゃん。アイゼンハイムって、どんな奴なの」
「えっと……」
口ごもっているところ、ドアがノックされた。
ノックした後に開く。
平野さんだった。
僕たちを招いたよう同様に、二人の人物を通す。


