「雫ちゃんもよろしくねぃ」
「あ、はい」
雫もちょっと対応に困っているようだ。あまり話したくない男に一気に上がったのに、佐藤はどうやらまだ話したいらしい。
「なあ、そーちゃん。アイゼンハイムってどんな奴なん?」
「どんな奴って……」
「気になんだよねぇ、時期に百億貰う男のことが」
「百億?」
言ったのは雫だが、他のみんなも同じような顔をしていた。
それに佐藤は、あんれー、と笑う。
「だってそうでしょ。奥様さ、ぜってー今の旦那捨てて、アイゼンハイムに乗る気でしょ?手紙でああも、アイゼンハイムのことばかり話すんだからよ」
「だからって、なんで百億……なんですか」
うっかりと敬語を忘れそうになるが取り付けられた。
指にある指輪を無意味に取り外しを繰り返しながら、佐藤は言う。


