また歩くが、どんだけ広いんだ、この洋館は。
案内なければ、軽く迷子になるかもしれない。
「こちらへどうぞ」
重そうな二枚扉を開けて、平野さんが中へと促した。
中に入る。
こちらで少々お待ちくださいと平野さんは行ってしまった。
広間はアンティークだらけだった。
洋風すぎるというか、暖炉やのっぽの古時計。トナカイの剥製。
少し年期の入った深紅のソファーとテーブルが中央に置かれていて、既に三人ほどくつろいでいた。
ソファーはテーブルの四方に沿って、四つ。
右に二人、左に一人座ってお茶を飲んでいた。
手前に座る気になれずに、扉から一番遠いソファーに雫と一緒に座った。
静かに待とうかなと思ったけど、斜め前の女性と目があった。


