「失礼ですが、招待状を」
見せていただけますかと言うジェントルマンにすかさず僕は封筒を渡した。
雫のせいでしわくちゃになった招待状。それでも顔色変えないジェントルマンだったのに、封筒の宛名を見るなり。
「アイゼンハイム……」
驚いたように宛名を確認し、僕たちを二度見していた。
確かめるような動作。やがては。
「失礼ですが、アイゼンハイム様でいらっしゃいますか?」
質問された。
ジェントルマンが不思議に思うのも仕方がない。
「あ、いえ、僕たちはアイゼンハイムの代理人です。彼に代わりに来るようにと頼まれまして」
「ああ、そうでしたか。これはとんだご無礼を。申し訳ありません。奥様に聞いていた話――アイゼンハイム様に関してはどんな方かよく聞いていましたので」


