まったくと横目、じゃない。後ろでバテていた雫を見る。
んー、雫、ヒールはいてきたのか。今更だけど。
どうりで歩くのが遅く、疲れも早いわけだ。ひょっとしたらその内こけるかもしれない。
ぐだぐだと考えて、僕はあることを思いついた。
「ほら、雫。キャリーバック持ってやるから」
バテる雫からキャリーバックを奪う。
そんなことをすれば、感無量な感じで雫が話し始めた。
「おー、そーちゃん優しいぃぃ」
「敬え、讃えろ。ついで歩こう」
「はーい」
と言いながら、雫が僕の隣を歩く。
キャリーバックがなくなったことで、両手ともがら空き――いや、違った。僕が先ほど渡した手紙をまた見ていた。


