だから純粋な雫に危険な綱渡りを僕はさせたくなかったのだが。
「でもさ、手紙のやり取りするだけで豪邸に招かれるんだもん。ウチ、絶対にやる」
今現在の僕たちがここに来た理由を棚にあげてやる気充分だった。
確かに僕もやりたいと言い出すだろう。
ネットで言うところのオフ会。
手紙のやり取りをする小鳥遊さんが、自分の豪邸に文通した人を招くという企画を立てたのだから。
二泊三日、都会の喧騒がない田舎で悠々と暮らしませんかという誘い文句には釣られてしまう。
色々と考えている内に、駐車場をでて、さっきの高札がある場所についた。
「小鳥遊邸この先って、ここを登るのかなぁ」
登る、と言って顔をあげた雫にはそうだねと頷くしかなかった。


