黙ったままの樹に代わり
朔夜が二人のドレス姿を
誉めた。

「二人とも、すごく
 似合ってるよ
 
 ジャケットで
 雰囲気、変わるね」

「ありがとうございます」

そこへ、ベースの博臣
(ヒロオミ)が近寄る。

「この子達なの?
 あれ、アヤメちゃんと
 友達なんだね」

「さっき
 お友達になりました」

「いろいろと教えて
 もらったのかなぁ

 アヤメちゃんは
 内情に、詳しいからね
 俺達よりも・・・」

「そんなこと、ありません
 わたしは、純粋に
 モーメントのファンです」

少し、無機になって答えて
しまった、あやめは下を向く。
 
すると樹が、そっと優しく
声をかけた。

「いつも応援してくれて
 ありがとう」

あやめは、頬を赤く染めた。