―――うぅ……。 瞼が重い。 ゆっくりと瞳を開くと、目の前に泣き顔の芽衣が映った。 頭の後ろがジンジンする。 嗚呼そうだ。確か変人に追われて、芽衣を肩車から下ろした瞬間に後頭部に衝撃が走って気を失っていたんだ。 身体を起こす。 芽衣が抱きついて俺の胸に顔を埋めた。 心配かけちまったな。ゴメンな芽衣。 頭を撫でて、涙を指で拭ってあげた。 そうだ。あの変人はどうなったんだ?