なぜマンボウという姿なのかはわからないが、当の前に気づいていた。


マンボウが母さんであることを。母さんの生まれ変わりであることを。


いや、生まれ変わりというより霊の類なのかもしれない。


「必死にテンション高めで若々しさアピールしてたんだけどなぁ。やっぱ親子なのね。あっさりバレるなんて」


テンションが高めなのは元からだろうが。


『命日に現れれば誰だってそう思うさ。それに擬人化した時の姿、昔見た母さんの若い時にそっくりだった』


「それが決め手というわけか……。ちょっと動きすぎたのかもね」


小さく溜息を零すと、ヒレを使って人間でいう頬の辺りを掻いた。


キーボードを介した会話。俺は続けて文字を打つ。


『なんであの世から戻ってきたんだ?』


ディスプレイを確認するなり、マンボウはすぐに答えた。


「宙が心配だからに決まってるじゃない」