結局4.56秒さで私は負けた。

一度も隣にもいけなかった。


しかし一年生にして二位という私の成績に山田先輩は私を褒めちぎった。

「裕美子っ多分春の大会はいいとこまでいけるよっ!根性あるよっ!すごいよ!」

私はもう立つこともできなくて、保健の先生の肩に捕まっていた。

「こんな有様ですが…」

「そこまでになる根性がすごいのよっ裕美子っ」

憧れの先輩が私を褒めちぎっている…

少しの自信と、悔しさとが心にぐちゃぐちゃに存在していた。