「あ、おはよ歩夢。」 玄関に行くと、いじっていた淡いピンクの携帯を閉じて、ブレザーのポケットに入れた。 「はよ。」 いつもみたく、テンション低めに返事する俺。 スリッパを脱いで、ブルーのスニーカーに履き変える。 「夕べ、寝てないでしょ?」 履き終えて、ドアを開けようとした時、不意に梨華がそんな事を聞いてきた。