それからどれ位、眠っていたんだろうか。 僕の前には、白い見慣れた天井が有った。 「ん……。」 完全に視界が開けた時。 心配そうに、僕を覗き込む、いつもの母さんの顔が有った。 「歩夢…気がついた?」 大きな瞳を細め、優しく微笑んでいた。 「母さん…僕?」 「気がついたんなら、もう大丈夫ね。 ごめんね? ひっぱたいたりして…痛かったでしょ?」 そう言って、自分の右頬を指さしていた。 「あ……。」 そういえば、何気に右頬が痛い。